1日が長い。
ジェンネを離れて、陸路のハブ、セバレに行く。
ここでほとんどの人がガソリンを補給してモプティ、ティンブクトゥ、ドゴンとそれぞれの目的地に分かれる。
私たちの車は南行きの道路でドゴン地方を目指す。
ドゴンを抜ければ、お隣の国のブルキナファソに入る。ブルキナファソ!アフリカにそんな国があることも知らなかった。
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![IMG_7811[1]](http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/l/o/o/looming/2011060311185697ds.jpg)
広陵とした乾燥地帯に赤い岩山が迫ってくる。
浸食された奇岩があちこちに見え、飽きることはない。
ピークの渓谷で写真休憩。
まるで岩盤浴。あっちー!
他のバスからもグッタリした乗客がトイレ休憩に出てくる。もちろん青空トイレ。
大衆バスにはエアコンもないし窓も開かない。ドアが開けっぱなしで走ってる。
それならまだいい方で、バスの中に座るより、ルーフに載っている方が涼しいらしく、炎天下の中、振り落とされそうなほどの人が車の天井にしがみついている。荷物が車内で人が外。
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遠くに 左右対称に隆起した峡谷が見える。それが今から訪ねるソンゴ村。ドゴン地方の入り口、最初の村だ。
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![IMG_7816[1]](http://blog-imgs-15-origin.fc2.com/l/o/o/looming/20110603113331b03s.jpg)
大木のある村の入り口には人が集まり、平和な雰囲気が漂う。
ツーリストは訪問料を払わなければならない。すると村の案内人が先に歩いて村に招き入れてくれる。

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緩やかなカーブのある坂を上がっていく。
開けっぴろげな土の家は、ござを広げた中庭で女性が糸を紡いでたり、綿をカーディングしてたりする。その少し先には、オォ…織り人がいたっ!!それは観光向けのデモンストレーションかどうかは不明だけど、観光客が私だけなのは間違いない。この光景を独り占めとは来た甲斐があるいうもの。
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老人は器用に足の指に挟んだ紐を引っ張ってハーネスを上げたり下げたりしている。そして同時にシャトルを走らせる。
代わって織らせてもらった。
ぶら下がったハーネスは安定が悪く、シャトルを滑らせたらすぐに筬で打ち付けないと均一にならないのでリズミカルに動作しなければならない。空中ブランコのようだ。
できるようになるまで頑張りたいところだけど、地元の見物人が増えてきたので5センチほど織って代わってもらった。
笑われたけど仕方ないよね。

どんな道具を使うのだろうか興味津々で糸カゴを覗きこんだら手作りの使いこなされたシャトルがあった。分けてもらおうと思ったら、その老人、隣の建物に走っていって、これもあるよと手織り機を持って来た。ちゃっかり売ってるんだ!
まだ値段の感覚がわからないので、言われる価格のままだったり、ちょっと下げたりしているが、こういう貴重な体験で値切るのは失礼なもの。わたし的には、感謝です。
途上国での値段交渉はしんどい。
あとあと痛い目にあいながら旅は続く。
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村に入って5分もしない内に、テレビや本の中でしか見れなかったことが目の前で起こり、その貴重な体験をさせてもらった。
ここは、残ってるお金の心配や、来るまでの高額な出費のことは一切忘れよう!
今この村にいることにとても意味があるし、暑い昼下がりのせいだかなんだか、景色がきらきら輝いて見える。
登りつめた坂の上には集落の後ろに迫る崖があり、岩を上がっていくと、どう見てもそこが宗教的儀式の広場であることがわかる場所に出る。
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壁画はグラフィティのように派手にイラストが描かれ、その前に焼け跡が残るストーンサークルがある。
少年たちの大人になる儀式や家族に誕生の祝いがそこで行われる。
絵は儀式のたびに少年によって天然色で塗り重ねられている。
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この村はイスラム教徒の村だが、ドゴン族の宗教思想であるアニミズムは今も受け継がれていて、伝統行事、冠婚葬祭のほか、女性の生理を汚らわしいものとし、生理中の女性の居場所やクリトリスの切除が今も人権保護団体の指導を無視して密かに行われているらしい。
アニミズムは仏教のように輪廻転生がある。
全知全能の神「アンマ」は無の宇宙に泥を投げて太陽・月・星を作った。次に粘土を投げて頭を北にむけて横たわる人間の形をした大地を作った。「アンマ」は大地と交わり男の子「ユルグ」と双子の精霊「ノンモ」が誕生する。 「アンマ」は男女一組の人間をつくり、この二人から8人の男女が生まれ、ドゴン始祖となる。
参照) DOGON西アフリカ・クラブより抜粋
話が飛んだので、サンゴの村の崖の上に戻す。
今度は見晴らしの良い岩の上に出た。
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その時目に映った風景は一生心に刻まれると確信した。
視覚的だけではない。音がすばらしい。
峡谷の谷間に生まれる、かれらの普通の生活の音。
ヤギの声。ロバの雄叫び。杵で打つ音。子供の歌う声。
響き合っていつまでもいつまでもエコーして止まない。
暮れていく陽に急き立てられて、村人が夜の支度にせわしない。もちろんこの村には電気もなく、水道もない。
どこを見ても人の気配がする。
建物の影に見え隠れして、人や家畜やらがチラチラ見える。
ずっとここに座ってただ眺めていたいと思った。
この風景の中に自分がいる実感がわかない。
マリにいて、特に一人旅だからかもしれないが、そんな気持ちが何度かした。
それとも、歳を重ねるほどに自分のいる場所が固定してしまうからなのか?
まだなにかに出逢えるのかも、という期待もあって,その場をあとにした。子供達が集まり出すと合唱団のようになって歓迎の歌を歌い出す。残念なことに、呼称「Bic」,ボールペンをセネガルに置いてきてしまった、こういう時のためだったのに!
申し訳ない気持ちを引きずって子供の横を過ぎ、帰路に着く。
お土産も買って、夕日の当たる土の集落をあとに、ドゴン村の一番開けた町、バンディアガラに向かう。